父が自営業をしていた関係から、税金対策として自家用車を会社名義にしていたので、モデルチェンジ毎に乗り換えていたためである。記憶のままに、つらつらと書き綴る事にしよう。
・初代 S122A「風のカペラ」
それまで、プリンス・スカイラインに乗っていた我が家であったが、マツダがロータリーエンジンを引っ提げて、大々的に宣伝していたことと、我が家から一番近い場所にあったディーラーだったこともあって、1970年にカペラを購入したのだった。
12Aロータリーエンジンは、とにかく加速が素晴らしくて、それまでのプリンス・スカイラインS54をも凌駕する初速があった。逆に、この加速と、ロータリー特有の振動が仇となって酔いやすく、母親などは、あまりこの車を好まなかった。色はブルメタ。ヘッドライトはグレードに関係なく角と丸が選べたのだが、私の一存で丸目4灯を選択。
・二代目 CB12S
カペラロータリーAP。初代とはフロントデザインの違い程度で、根本的な差は無かった。色は初代同様ブルメタを選択したので、余計に乗り換えた感じがしなかった。
燃費の悪かった初代に比べて少し燃費が上がり、無給油で箱根往復が出来たと喜んでいたのを覚えている。(我が家では毎年、夏休みに箱根の保養所に泊るのが定番の旅行になっていた)
この車で伊勢参りを敢行。名古屋から延々下道を通って伊勢まで行ったのだった。元気だったねえ。
・三代目 CB
マツダのデザインが妙なアメリカンスタイルかぶれになってしまい、ロータリー仕様も無くなって、急激につまらなくなってしまった。レシプロ1600を選んだが、ケチってクーラーを搭載しなかったために、その年の夏の福井への法事で散々な目に遭って、早々に売り飛ばした不憫な車。色は茶系。
・四代目 CB(マイナーチェンジ後)
クーラー未装備の三代目から乗り換えた四代目。同じCBだがマイナーチェンジ後のスラントノーズスタイルになった車。1600が今ひとつのパワーだったので1800を選択。直4の1800はバランスが良く、よく走った。色はライトグリーン。この年に免許を取得し、私が最初に運転したのがこの車。良く走った良い車であった。
・五代目 GC
FRからFFに仕様変更。大人しめだが丸みのある嫌味のないデザインであった。逆に没個性とも言えたけれど。この時期、私は大学生で、自活していたために、この車とはあまり縁がない。色はブルメタ。
・六代目 GD
CGと基本的に同一の路線ながら、より丸みを帯びたスタイルになった。色はガンメタのような渋い色。世界初の四輪操舵4WSを装備していたが、逆に父親は運転しづらかったようだ。
この後、セダンはクロノスになり形式消滅する。ここで一旦、マツダとの縁切りとなった。どこまでカペラ好きなんだよという感じだが、意地だったのかもしれない。
・七代目 CG
マツダはユーノス、アンフィニとバブル期のブランド展開を始めるが失敗。数年後にクロノスを強引な形でカペラとし、形式復活。
カペラ名が復活したことにより購入したが、中途半端なフロントデザインなどが災いしたのと、次機種が出たので短期間で売却。色はシルバー。
・八代目 GF
カペラ最終モデル。購入したが、父の高齢化に伴い殆ど運転することはなく、丁度妹が結婚したこともあって、妹の家に譲ることとなった。色はグリーンマイカ。
売却と同時に父も免許を返上してしまったので、文字通り我が家の最後の車となったのであった。
個人的には、自分で良く乗ったのは四代目のCBと、六代目のGDだった。下宿生活から実家に戻った後、しばらくGDを転がしていたが、転職を機に自分の車を買う事になり、家の車は運転しなくなった。従って、CGとGFは、ほとんど運転していない。多分CGは走行距離1000キロ未満、GFも2000キロくらいで売却していると思う。
意外と写真が残ってないんだよね。自家用車の写真を好んで撮影するような家では無かったのだ。まさに「足」だったね。