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FURY
随分日記をサボってしまいました。実は、話題の戦争映画、FURYを見たんですが、これが凄い映画で、普段ならちゃちゃっと感想を書いちゃうんですが、なかなか感想が書けなかったのです。

ほぼ1週間かけて何とか書き上げました。思いっきりネタバレなので、これから見ようと思っているかたはスルーの方向で。

***

戦争映画である。第二次世界大戦の末期、ドイツが舞台。1945年4月という想定だから、ベルリン攻略直前という事になる。

ストーリーは単純明快。一歩間違えると超駄作になりかねないようなストーリー展開だ。簡単にあらすじを紹介しておく。

アフリカ戦線から戦ってきた歴戦の勇者「ウォーダディ」ことコリアー軍曹(ブラッド・ピット)率いる戦車「FURY」号。だが、副操縦士を失ってしまう。代わりに配属されたのが入隊8週間というド新兵のノーマン二等兵。
彼のミスで部隊長を失うことになってしまい、変わりにダディが戦車隊長として4両の戦車を率いていくことになる。
ドイツの小さな街を占領する任務を達成した彼らは、束の間の休息を得る。
ノーマン二等兵は、隠れていたドイツ娘と恋仲になるが、直後のドイツ軍の爆撃で彼女は死んでしまう。
次の任務の途中、ドイツのタイガー戦車と遭遇した部隊はFURY号を残して全て倒されてしまう。残ったFURY号は危機一髪、タイガー戦車を撃破。たった一両で任務遂行に向かう。
最後の任務は、ベルリン攻略を行う本体の後方支援だ。米軍補給基地をドイツ軍から守る任務である。その途中、地雷を踏んで立ち往生してしまうFURY。
斥候に出たノーマンは、300人のドイツ軍がやってくるのを発見する。動けないFURYと300人のドイツ軍では勝負は見えている。
逃げようという部下に対して、残って戦うというダディ。お前たちは逃げろ、というが、全員が残って最後の戦闘を行う。
300人のドイツ兵相手に八面六臂の大活躍であったが、遂に弾切れとなった。次々に狙撃され、ダディとノーマンを残すだけになってしまう。そのダディも銃撃を受け、もうこれ以上は戦えなくなった。
最後にダディはノーマンに向かって言う。「脱出ハッチから逃げろ」
戦闘は終わった。朝になり、ノーマンだけが生き残った。味方に救出され、任務は成功したことが分る。「お前は英雄だよ」と言われながら輸送車に乗り、ボロボロになったFURY号を振り返るノーマンの姿は、勝者の姿ではなかった。

***

歴戦の猛者どもの中に新米が入って騒動を起こす。ミスで部隊長を戦死させたりしてしまうが、ドイツの若い女と懇ろになったりして、一人だけいいとこ取り。最後の任務で隊長以下全員が死んでしまうが、この新米だけ運よくただ一人生き残る映画。

と、書いてしまうと身も蓋もないのだが、そういう話なんだから仕方ない。

じゃあ、駄作なの?
いやあ、そんなことはない。戦争映画の中では一、二を争う大傑作ですよこれは。

ストーリーはある意味ご都合主義だし、プロットも平凡。だが、それを補って余りあるのがセリフだ。この映画はセリフが物凄くいい。

この手のヒューマンドラマ的戦争映画にありがちな、何が善で何が悪だとか、何が正しくて何が間違っているなどという話は一切出てこない。そこが素晴らしい。
安っぽいヒューマニズムなど無い。殺すか殺されるかだ。ドイツ兵を殺すことに躊躇していたら自分が殺される。たとえ敵が子供でもドイツ兵なら殺さねばならない。そこに理由などないし、言い訳も必要ない。それだけの話だ。

ダディのドイツ兵に対する思いは深く強い。目の前にドイツ兵が通れば殴りかかる。生き残ったドイツ兵が家族の写真を見せ命乞いをするのに、ノーマンに射殺させようとする。ノーマンが抵抗すると、強引に引き金を弾かせ、無抵抗のドイツ兵を射殺する。(その後思いっきり頭を抱えて苦悩しているシーンがあるのだが、セリフは一切ない。だからその意味は分からない。)

最後に、ダディとノーマンだけが生き残ったとき、ノーマンが投降しようと言うと、ダディは諭すように言う。降伏したほうが拷問を受けて酷い死に方をするんだと。それは一見、ダディのドイツ兵に対する憎悪のようにも思えるが、我々は映画の途中で出てくる、街道に吊るされたドイツの民間人の事を思い出さざるを得ないだろう。彼らは、銃を持つことに抵抗し、首から「私は戦う事を拒否しました」というプラカードをぶら下げられて吊るし首になっているのだった。男だけでなく、若い女の死体もあり、さらし者になっているのだ。
そんなものを見てきたのだから、拷問されると思うのも道理というものだろうか。

セリフの中に訓話めいたものは一切ない。ただ、バイブルとあだ名された砲手(シャイア・ラブーフ)が引用する聖書の言葉が比喩的に語られるだけだ。

我々日本人には馴染みのない聖書の言葉なので、その意味を理解出来ている人は少ないだろう。私は学生時代、興味本位で聖書やら宗教本を読み漁った経験があるので、多少の知識はある。クリスチャンが感じるであろうこの映画への思いと、我々「ご都合的にファッションで宗教を使う」日本人が感じる思いとの差はいかばかりかと思う。
この映画は、そういった知識があると無いとで、見方が全然変わってくるのだ。

それは最後の攻防戦で顕著になる。

戦車が地雷を踏んで走行不能となる。味方は他に居ない。そんな中、300人のドイツ兵団が攻めてくる。普通は逃げるだろう。だが、ダディは逃げない。一人で戦おうとする。
「俺は戦いから逃げたことはない。今でも逃げようとは思わない。ここは俺のホームだ。だから捨ててはいけないのだ」と言う。
それは、任務遂行が最優先という意味ではなかった。
それに感じるものがあった新兵ノーマンが、自分も残るという。新兵に残られてはあとの3人も具合が悪い。
全員が戦うことを決意し、持ち場に着いた時、バイブルが言う。

『その時、私は主の声を聞いた。「誰を遣わすべきか。誰が我々に代わって行くだろうか。」 私は言った。「私がおります。私を遣わしてください。」』

それに応えて、ダディが言う。

「イザヤ書第6章第8節だな」

バイブルは一瞬驚き、そして笑う。
そうだ、あれほどドイツ兵を憎み殺してきたダディも、敬虔なクリスチャンだったのだ。

この一節はとても重い。そしてなるほどと思わせるものがあった。イザヤ書第6章第8節は、イザヤが預言者として致命的であったと感じていた時、主の恵みを経験し、その恵みによって預言者として任じられることになった重要な一節である。

キリスト教徒であることと、戦争をすることは全く異なることだ。人殺しはいけないことだが、戦争は違うのだ。主の恵みによって預言者となったイザヤ同様、彼らは兵士として自分の任務を遂行するのだ。では彼らの主は誰なのか。彼らに恵みをもたらしたものは誰なのか。

ここは、解釈を間違うととんでもない事になる。私自身、ここをどう解釈すべきか、未だに悩んでいる。だから、米国では賛否両論の映画なのだという。残念ながら、このニュアンスは日本で生まれ育ち、キリスト教を身に着けてない日本人には分りそうもない。

最後に、ダディへの痛烈な皮肉とも思えるシーンがある。
脱出口から逃げ延びたノーマンは、戦車の真下の地面に隠れる。だが、その姿を若いドイツ兵が懐中電灯で照らしてしまった。ノーマンは恐怖に震えながら両手を挙げる。だが、そのドイツ兵はそのまま立ち去ってしまう。このシーン、若いドイツ兵が見逃してくれたのか、それともよく見えなかったのかは分らない。
ノーマンは、若いドイツ兵を見逃したことで味方を敵に殺されることになってしまった。だが、自らは似たような年恰好の若いドイツ兵から見逃して貰う事で生き延びられたのだ。何という皮肉だろうか。

この後、おそらく連合軍はベルリンに突入し、戦争は終結する。アメリカ軍は勝ったのだ。だが、全然勝った気がしない。こういう映画を作れるアメリカの凄さをまざまざと見せつけられてしまった。

全編、セリフが凄いので、見ていて全く気が抜けないのだが、いかにもお調子者で下品なヤンキー兵「クーンアス」を演じたジョン・バーンサルには救われた。彼の下品な行動とセリフは、緊張の中に笑いと安堵をもたらしてくれた。でも、一番最初に死んじゃうんだよな。

とまあ、重たい映画なのだが、何度でも見直したいと思う映画である。近年の映画の中でも最高傑作と言っていいだろう。特に脚本が素晴らしい。アカデミー賞候補の噂も出ているが、是非とも脚本賞を与えたい作品だ。

最後にひとつだけ補足。FURY とは、激怒するという意味だ。復讐の女神、怒り狂う女なんて意味もある。我らのFURYは、何に激怒していたのだろうか?

 
| 【映画・テレビ】 | 22:02 | comments(0)
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