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気分はヒプノシス
1970年代を中心に、ロックレコードのジャケットデザインを手がけた「ヒプノシス」という集団があった。ピンクフロイドの神秘を皮切りに、ELP、レッド・ツェッペリン、ウィッシュボーン・アッシュ、ジェネシス、ホリーズ、ルネサンス、ウィングス、UFO、アラン・パーソンズ・プロジェクト、ELO、ピーター・ガブリエル、イエス、XTC、UK、ブランドX、レインボー、松任谷由美と、錚々たるメンバーのアルバムジャケットデザインを担当した。

中学、高校、大学と、ヒプノシスデザインのジャケットに憧れ、こういう仕事をしたら楽しいだろうなあと思っていたものだった。

***

5月末のある日、金属恵比須の宮嶋君から一通のDMを頂く。

「ロマネスコの新作アルバムジャケットのコラージュを手伝ってくれませんか?」

まさにヒプノシスの仕事であった。二つ返事でお引き受け。

ラフミックスされた宮嶋君のデザインを元に、素材を再加工。
幾つか案を出して、良いものを採用して貰い、そこからさらに修正を入れていく。

ジャケット表紙と裏表紙のコラージュを作って完成、と思っていたのだが。

数日後、再びDMを頂く。ミキシングで手一杯なので、ブックレット、インレイ、帯、盤面のデザイン(要するに全部)お願い出来ますか?との事。

時間が無く、こちらも平日は多忙なので悩んだが、出来るところまでという事でお引き受けした。

性格的に、納期ギリギリっていうのが、発注する側としても受注する側としてもダメなので、何とか納期数日前に上がるように頑張ってみた。艦これのイベントが始まっていたのだが(笑)、裏で単純作業のキラ付けとかをやりつつ、表でデザインを行うと、意外と両方とも捗るのに気が付いた。

たいへん貴重な経験をさせていただいたので、この場を借りて宮嶋君にはお礼を申し上げたい。

***

さて、折角気合を入れて作ったものなので、ちょっと解説を入れてみたい。



ジャケット画像は、電話の発明でお馴染み、グラハム・ベルによる四面体凧。
表、裏とも、ベルの作った凧の写真を利用。歌詞カードには凧を持ってベルとキスする夫人の写真。歌詞カードのもう一枚の写真はBritish Airwaysのコマーシャルフォト。これらのチョイスは全て宮嶋君。

まず、ジャケット表裏は、バックにリキッドパターンを幾つか重ねて合成し、トーン調整した上でノイズを加え、軽くビネットを掛けてある。凧そのものは切り取って目立つようにした。幾つかのサンプルの中から宮嶋君にチョイスして貰って完成。最初に貰った宮嶋君制作のデザインサンプルの完成度が高く、出来るだけ再現するよう努めたので、この工程はとても楽だった。

歌詞カードの写真も合成で、ベル夫妻のバックには宇宙の写真。
元の写真の背景を地味にカットして背景と合わせる。ベース写真のコントラストが低いので、かなり手書きで情報追加した部分もある。



英国欧州航空の写真は結果的に小さくなってしまったので分かりにくいけれど、サーブしている皿の上にロマネスコを載せてある(オリジナルは空のお皿)。宮嶋君からの指示で、元写真とロマネスコの写真の光線や影の具合を一致させるのに少し技を使った程度。この部分は拡大してインレイの盤面を収める側にも丸くカットしたものを入れてみた。



インナージャケットは、1960年のロンドン・ピカデリーサーカスをエルマー・ラドウィッグという写真家が撮影したもの。これも宮嶋君のチョイスである。いい写真を選ぶよね。絵のように見えるが写真である。これのトーンを調整してクレジットを載せてある。ここにもリキッドパターンを載せてみたが、合わないので結局カット。



この直後くらいにラフミックス音源を頂く。最初に聴いた印象では、紫のイメージが浮かんだ。そこで、インレイは紫系の色をベーストーンにしてみた。古いモノクロネガの色、といっても今の人には分からんか。



インレイには、宮嶋君がチョイスしたCINEMAという書体を使うが、フォントが無くトレースを行った。表ジャケットの四面体凧の写真をモノクロ化し、若干紫系統を交えて質感を変える。四面体凧はシルエットに加工し、表面では抜かなかった中の白い部分も抜いて完全シルエットにした。
ここまでは全て宮嶋君との共同作業。ラフな配置イメージを考えて貰い、それを実際の画面に起こすのが私の作業。フォントもおおよその雰囲気を伝えて貰い、私のほうでフィットするものを選択した。

宮嶋君とデザインの感性が近いので、時間が無かった割には手戻りが少なく、とても順調に行ったのが良かった。特にラフミックスを聴かせて貰ったのが、デザインイメージを固めるのに役立った。

帯と盤面は完全に私のオリジナルである。と言っても、70年代のもののパクリだが(笑)
帯はワーナーブラザースの帯を参考にして仕上げてある。ポイントは上のNEW ROCK AGEの飾り文字。これ結構いいでしょ?(自画自賛)



タイトルの神秘の夜〜ロマネスコ供舛諒源も凝ってみた。某フォントをベースにちょっと長体をかけてある。時間があれば書き文字にしたかったところである。

全体的に、よく見かけるフォントは使っていない。MSゴシックやメイリオ、游フォントなど、この手のものに使うべきではない。モリサワなども使わないほうが良い。

英字も、MS系、Helvetica、IMPACTなどは極力避けたほうが良い。特に70年代風のジャケットに、見慣れたHelveticaなどは厳禁だ。このあたりは過去のデザイン経験値が生きている。

QWEENというフリーフォントがあり、どこかで使いたかったのだが、適当な場所が無かった。またの機会だね。

さすがに盤面は時間が無かった。ロマネスコのファーストが、アトランティックレコードの盤面を意識したデザインになっていたので、簡単に作れるもので、何か似たものにしようと思った。

最初に浮かんだのがアップルレコード。某マッ●ントッシュの齧りかけりんごのマークを配置しようと思ったんだが、さすがに著作権的にめっちゃヤバいので諦め。

そこで浮かんだのがコレ。音を聞いたときに紫のイメージがあったので、それ繋がりである。PじゃなくてロマネスコのRを配置して完璧(笑) ただ、あからさまな紫色だとアレなので、実際の盤面は多少青系に振ってある。



シンプルなデザインなのであっさりと仕上がった。

が、ここで大変なミス。

カメラマンってのは何でもPHOTOSHOPで解決しようとする癖がある。今回特に、デザイン進行状況を宮嶋君と共有する必要があったので、JPEGなどで出力しやすいPHOTOSHOPで画像形式にデザインしてしまった。

印刷物なので、illustratorを使うわけだから、文字はラスタライズではなくアウトライン化すべきである。そこで、完成した画像を下地にして、文字は全部トレースし直した。うっかりミスだったが、半日でリカバリーできた。流石に、ちょっと肝を冷やした。

盤面は白、黒、紫の三色なのでシルクスクリーン印刷に出来た。これは僥倖だったと思う。シルク盤面だと、メジャー感出るよね。

そんなわけで、時間がタイトな割りに、良いデザインになったと思う。

音は、70年代のアートロックというか、ブリティッシュ・ロックというか、そういう路線なので、そっちのほうが好きなかたには是非ともお勧めしたい。

こちらから購入できるほか、一部のCDショップで買うと特典が付くようです。




 
| 【音楽】 | 13:35 | comments(2)
コメント
なかなかの力作ですね!

あの時代のジャケットを見ているようでもあり、レコード屋巡りのワクワク感を思い出しました。

新宿レコードでは英国から届くエアメール便が届くのが遅れ、深夜まで誰もいないお店で待っていたこともありました。
| レオン | 2019/07/19 2:51 PM |
#レオンさん

ありがとうございます!
70年代を意識したジャケット作りを心掛けました。音も、モロそっち系なので面白いですよ。

新宿レコードは私も愛用してました。どこかですれ違ってたかもしれないですね。

| 雀坊。 | 2019/07/19 3:59 PM |
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