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それでも私は紙雑誌を買う。
週刊アスキーが5月から完全デジタル化するんだそうな。

ま、そういう雑誌だからね。コンピュータ系雑誌がデジタル化していくのは当然の流れだと思う。本なんか買うのめんどくさいもの。

しかし、自分でも思った以上に自分の中のデジタル化が進んでいることに呆然とする出来事があった。

週末に開催された鉄道模型の即売会だったのだが、ネットに情報があまり出ていないと呟いたところ、「模型雑誌には公告出てますよ」というご指摘を頂き、冷や汗をかいた。
模型雑誌見てないもんなあ。ここ数年、ほとんど購入すらしていない。
自分の作品の載った号は献本されるし、さほど保存しておきたいと思うような情報も少ないので、ここ数年鉄道模型雑誌は全く買っていない。

技術系の雑誌としてはむしろ、プラモデル雑誌のほうが遥かに有益なので、そちらのほうばかりを買っている。私が欲しいのは資料性の高いものか、有益なテクニック紹介みたいなものがたくさん出ている本なので、その意味で、現在の鉄道模型雑誌は半ば新製品カタログと化しているので購入対象にはなりえないということだ。

最近の鉄道模型雑誌は資料性に欠けるものが多く、あまり購入動機にいたるものが多くないのが残念だ。連載ものの資料などもあるが、まとまっていないので毎号買わねばならない。それは売り方としては正しいのかもしれないが、買うほうとしては他でも情報収集できてしまうから、買わなくてもいいやという流れになってしまう。

一方、プラモデル雑誌は、毎号特集を組んでいるケースが多い。そうすると、その号を買うだけで情報が集中しているので買いやすいということがある。毎号は必要ないが、欲しいものだけ買うというパターンだね。これからの雑誌は、その方向性を目指すべきではないかと思う。

鉄道模型雑誌でも最近は特集を組むケースはあるが、総花的で表面だけを撫でているから購入動機にならない場合が多い。
もっと重箱の隅だけをクローズアップして、1点だけに絞ったほうが良いのではないかと思ったりする。あとは技術特集ね。ハンダ付けだけでも奥が深いから、そういう特集をすればいいのにとか思うんだが、基本的に鉄道模型雑誌は読者投稿で成り立っているものが多いから、そうも行かないのかもしれない。

雑誌というのは困ったもので、とにかく場所を食う。
私は一時期、鉄道雑誌を500冊くらい持っていたが、それだけで書棚3本分あった。引越しを機会にほとんど処分したけれども、一部の専門書を除いて二束三文の値段しかつかなかった。その意味でも雑誌というのはかなりお荷物になるのだ。

そこで、一部電子化を試みたことがある。いわゆる自炊ってヤツね。
本を裁断して1ページずつスキャンして保存する。裁断が勿体無い本はそのままスキャンするが、分厚いと平坦にならないので、そこは読めればいいと割り切った。図面ものは困ったけどね。

しかし、この作業がとても辛いのである。
ただでさえ時間が掛かる上に、スキャンした画像をどう保存するかが難しい。
ある程度データベース化しないと検索すら出来なくなる。
そのデータベース構築も、死ぬほど時間が掛かるので、志半ばで放棄した。

紙雑誌も欲しい資料を探すのは面倒だけれど、パラパラめくる作業が思いのほか楽しい。鉄道模型雑誌の古いものは文章を記憶するほど読み込んだので、意外とあっさり見つけられるし、探している間に全く違う資料で役に立つものを見つけたりするしね。

やはり紙の利便性はあるのだ。
| 【本】 | 09:52 | comments(2)
グインサーガ第134巻 売国妃シルヴィア
栗本薫亡きあと2人の作家に継承されたグイン・サーガシリーズの最新刊が出たので買ってみました。第1巻刊行以来、40年近くも付き合わされた作品ですので、終わるまで感想文を書き続けることにしています。

以下、ネタバレにつき未読の方はご注意ください。ちんぷんかんぷんのかたはスルーの方向で。

****

初期の「あとがき」で語られた、今後の指標となる幾つかのタイトルのひとつ、「売国妃シルヴィア」であります。このタイトルの付いた本の刊行は、オールドファンには、なかなか感慨深いものがありますね。

作者の宵野ゆめ氏、あとがきに書かれていますが、今頃になってプレッシャーを感じるとは中々の傑物?そのわりには結構大胆な内容になっています。ま、プレッシャー大いに結構。栗本薫の書かないグイン・サーガには未だ抵抗がある反面、氏の著作物の大きな欠点であった大幅な横道への逸れとか異常なまでのヤオイ趣味が表に出なくなったので、実に好印象ではあります。(苦笑)

アウロラという見知らぬキャラクターが新登場しますが、これは外伝「宿命の宝冠」に登場した人だそうで、栗本薫著作以外の外伝を読んでいなかった私は少々当惑しました。これは外伝も読まなきゃならんかね。意外と「生きてる」キャラクターで中々よい感じ。

残念ながら、一点だけ物凄い違和感を感じたのは、十二選帝侯会議の開催中にダナエ侯が毒殺されたにも関わらず、さほど大騒ぎにならずにその場が流れてしまったこと。少し強引過ぎだったのと、不自然さが残りました。選帝侯毒殺なんて、下手すりゃケイロニア分裂の危機に陥るほどの大事件じゃないの普通は!!

それ以外は一気に読み終わるほど引き込まれたので、内容としては大変に宜しかったように思われます。シルヴィアの行く末が哀れですが、栗本薫ほど酷い扱いはしていない(笑)と思う点も救われます。だからこそ余計ダナエ侯の毒殺が惜しい。

ケイロニア大空位時代の始まり、という事は、この先グインがケイロニア皇帝になることは無いんでしょうか。ワルスタット侯の意外な翻心、闇の司祭の怪しい動きから鑑みるに、「心臓部に闇の卵を抱き、今まさに孵さんとしている、その国」とは、パロのことでしょうか?

パロがシルヴィアを囲い込み、本来のケイロニア皇帝として擁立し、パロが傀儡となるという策略が今後めぐらされるとすると、それはまさしくアルド・ナリスっぽいやり方とは思いますが、この人を復活させるのはなあ。亡霊的に復活して、実体は無い、というような話に留めてほしいものですが。

続刊は、五代ゆう著作「紅の凶星」、キタイ編の続きと思われますが、意味深なタイトルです。今冬刊行とか。早く読みたいものです。

売国妃シルヴィア (グイン・サーガ134巻)
宵野 ゆめ 天狼プロダクション
4150311706
| 【本】 | 11:18 | comments(0)
つげ義春さんのインタビュー記事
東京人7月号に、マンガ家つげ義春さんの最新インタビュー記事が掲載されていた。

つげ義春は、1987年に「別離」を発表してから27年間も新作が出ていないので、元マンガ家というべきなのかもしれない。息子さんが総合失調症だというのも今回初めて知った。もう書かないんだろうなあ。

今回の東京人は、ガロとCOMの特集で、それなりに読ませるボリュームがあった。つげ義春以外にも、竹宮恵子、諸星大二郎のインタビュー記事が掲載されていて、なかなか面白いものがあった。

東京人は既に8月号が発売されているので、書店で購入するのは難しいかもしれない。バックナンバーを注文するか、ネット購入をお勧めします。無くならないうちにどうそ。

東京人 2014年 07月号 [雑誌]
B00KFN720S
| 【本】 | 07:26 | comments(0)
魔聖の迷宮(グイン・サーガ133巻)
栗本薫死後、二人の作家が引き継いだグイン・サーガの新刊がやっと出た。

あとがきで作者が述べているが、体調の問題で刊行が遅れたらしい。正直、2人で書いてるんだからもう少し何とかして欲しいものだ。一人の作家が半年で1冊書ければ、1年で4冊、4ヶ月に1冊は読める。そのくらいのペースは何とか維持して貰いたい。

苦言はさておき、やっと、栗本薫の絶筆からの続きがリリースされた。これまでの2冊は続編といえども舞台を他の場所に移していたので、本当の意味での続編は本書と言っていいだろう。

通常のページ数の半分で刊行された130巻の薄い本。その尻切れトンボの内容に大きな喪失感を覚えたものだったが、それが漸く埋まったように思う。

ルールバ、エイラハ、タミヤ、イグ=ソッグ、ババヤガ、懐かしの「七人の魔道師」の面々が生き生きと蘇ってくる。あれからもう35年も経ってしまっているのだなあ。

七人の魔道師は、グインサーガの刊行が始まってすぐ、SFマガジンに掲載された。だから本当に初期も初期の作品である。その長さゆえに多くの矛盾を孕み、その齟齬を生めるために四苦八苦した形跡が感じられる正編なのだが、特に「七人の魔道師」における幾つかの致命的な齟齬は修正されずに終わっている。そこをどう取り繕っていくかが、今後書き続けていく者への試練だと思うが、本作ではそれを逆手に取って、かなり上手く利用している事が感じられた。ここは作者の手腕というべきか。

多くのかたが感じている「語り手」の違和感はあまりない。が、一部の表現で確かに読みづらい部分があった。特にブランがヤガ入りをしたあたりでの回想シーンと現実との切り替わりの部分が分かりづらかった。そのほか細かい表現でも、読んでいてつっかえる部分があり、そういう意味では栗本薫の文章構成力は半端ではなかったなあと思ったり。

本書から、グイン・サーガは完全に栗本薫の手を離れるようだ。今後の展開のプロットはほとんど残っていないという。(昔、創作ノートってのがあったように思うんだが、あれはどうなったのかな?)新たなキャラクターも生まれ、それがなかなか重要な位置を占めそうな雰囲気もある。

次回は宵野ゆめ氏による「売国妃シルヴィア」。こちらもかなり初期にそのタイトルが明らかにされていた本である。「長い物語の中の灯台となる、幾つかの指標」のひとつだ。さて、どんな売国妃が現れるか、楽しみにしておこう。

魔聖の迷宮 (ハヤカワ文庫JA)
五代 ゆう 天狼プロダクション
4150311625
 
| 【本】 | 09:36 | comments(0)
本を読む余裕が出てきました。
地獄のような3月を終え、まだまだ落ち着いたとは言えないものの、多少は人間らしい生活が送れるようになって来ました。

特に、行き帰りの電車の中で本を読む余裕が出てきたのが、個人的には大きな変革だと思います。精神的に追い詰められると、本を読む余裕は全く無くなるのですね。本は大事。

で、軽いものから読み出すことにしました。以前、ここで少し辛口の評をした、岡崎琢磨氏の「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズ3作目。

珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
岡崎 琢磨
4800224438

 例によって、「ビブリア古書店激似」の印象が今回も拭えないのですが、面白く読めました。でも、ちょっと今回は強引さが目立ったかな?プロットに溺れたねえ。「決め台詞」が出て来なかったのも少々不満。でもまあ、ビブリア好きな人にはお勧めしておこうかな?

 続いて漫画ですが、ちはやふるの新刊が出た模様。早速買って帰りましょう。この本、うっかり電車の中で読むと泣くのでヤバイ。これに限らず、最近の漫画は涙腺刺激するのが多すぎて困ったもんですわ。

 ちはやふる(24) (Be・Loveコミックス)
末次 由紀
4063804224

 さて、明日は模型作るぞー。
| 【本】 | 13:26 | comments(0)
芸術新潮 つげ義春特集
今月号の芸術新潮が、つげ義春特集だったので買ってみた。
デビュー60周年なのだという。

数ある漫画家の中で、最も影響を受けた人の一人なので、これは買わねばならない。
名作「紅い花」「外のふくらみ」が全編。その他、名作の主要なシーンの原画が掲載されており、従来小さな文庫版やB6サイズでしか接してこなかっただけに、大きなサイズだとその緻密な絵に新たな感動がある。

つげ本人撮影による旅の写真も数多く掲載されていて、これがまたいい。
特に58−59ページの西山温泉のスナップ。突然現れたという、お面を被った少女はまさにつげの世界の登場人物だ。カメラはキヤノンVI LとPを使っていたそうである。

記事は山下裕二、東村アキコ、戌井昭人が書いているほか、4時間に渡る、つげ本人への興味深いインタビュー記事も載っている。衝撃的だったのは、目が悪くてもうマンガは描けないと語っているところだった。つげ作品の新作は、もう出てこないのである。それが何とも残念であった。

その他の記事では、ロシアのポスター、バルデュスの撮ったポラロイドなどが興味を引いた。
興味のある方は、ぜひご一読を。


芸術新潮 2014年 01月号 [雑誌]
B00GXGMP5S
| 【本】 | 10:59 | comments(0)
グインサーガふたたび
 ここ数年、文庫本はブックオフの105円棚で買う事が多かった。それ以外だとAmazonやネット書店から通販で買っていたりする。基本的に通勤電車のお供であるし、新刊本を読むほどの熱意もないからだ。

 先日、大阪出張した際に、電車の中で本でも読もうと思って、久しぶりに駅構内の書店で文庫を探していたら、意外な本が目に付いた。「グインサーガの131巻と132巻」が、それである。

 え?グインサーガ?一瞬目を疑った。何故なら、グインサーガの作者、栗本薫は今から4年前の2009年に他界しているからである。
さては未発表原稿でも見つかったかな?と思って手に取ると、見知らぬ作者の名前が書かれていた。「五代ゆう」?誰それ?

 この本の通例として、あとがきから読んでみる。どうやら、栗本薫の遺志を継いで、二人の小説家による連作形式で新たなグインサーガが書き続けられていくのだそうだ。

 栗本薫の手によらないグインサーガをグインサーガとして認めても良いのかどうかは、意見の分かれる部分である。しかし、正直のところ、栗本グインには辟易していた部分も多い。やたらとどうでもいい方向に逸れる本編。どいつもこいつもゲイという、作者の趣味丸出しの設定。正直、その行き過ぎに耐えられず、何度となく読むのを辞めてしまおうかと思ったものだった。

 とりあえず、手に取ってはみたが、五代ゆう氏も宵野ゆめ氏も全く知らない人だったので、その時は買うのを辞めて、作者の名前だけ記憶にとどめておいた。

 帰宅後、ネットで検索してみる。五代ゆう氏は、作家歴20年のベテランで、ヒロイックファンタジーものを得意としているらしい。寡作ではあるが、評判は悪くない。一方の宵野ゆめ氏は栗本薫の小説塾の塾生で、なんとデビューしたばかりの新人とのこと。

 なるほど、ヒロイックファンタジイのベテラン作家と、直系弟子が書き繋いでいくのか。それは悪い事ではない。下手に全く関係のない第三者に書かれるよりは、そのほうが良いのかもしれない、と思って、この2冊を買ってみた。

 まだ131巻の途中までしか読んでいないが、紛れも無いグインワールドがそこにあった。生前の栗本氏が、「グインサーガは自分で書いているのではなく、何かに書かされている」というような発言をしていたが、まさにそんな感じがした。全く違和感がない。

 すでに五代氏のほうは、とんでもない設定を思いつき、書いてしまっているが、その気負いが悪い方向に行かなければ良いなと思う。栗本グインほど売れないとは思うが、完結まで頑張って貰いたい。刊行開始当時からの、最も古い読者の一人として、今回の続編再開を、全面的に指示、応援するものである。

 出来る限り、今後の作品については全てレビューを書いてみようと思っている。


パロの暗黒 (ハヤカワ文庫JA)
五代 ゆう 天狼プロダクション
415031134X
| 【本】 | 14:27 | comments(0)
薄い本を買う。
少し前の話になるが、薄い本を二冊買った。

まず最初に買ったのが、田中圭一氏による「ヤマト2199の薄い本」
手塚タッチのエロ漫画で有名な田中氏が、果敢にも松○零○のタッチで描いたヤマト2199。勿論、お下品ざます。

正直、薄い本にはろくなのが無いのだが、これは違う。抱腹絶倒の内容であった。さらにパワーアップした「帰還編」もそろそろ発売になるようなので楽しみである。
なお、この本は通販で購入できるので、ヤフオクなどでボッタクリ本を掴まされないように。

もう一冊めは「艦これの薄い本」。艦娘を描いたイラストレーターさんたちのイラストや設定資料が入っていて、これも薄い本の割には良く出来ている。
こちらも初版とかに拘らなければ、比較的容易に入手できる。ちなみに私が買ったのは二版。定価の3割り増しくらいの値段で、まずはリーズナブルであった。相場は定価の倍額ぐらいのようだ。

艦これの本は、ムック本を筆頭に雨後の筍のように販売されているが、そんなものを全部買っていたら破算してしまうので、私としては珍しくグッズ系には一切手を出さないことにしている。一応、コラボのウォーターラインシリーズくらいは買ってもいいかなと思ってはいるものの、仕掛り中のプラモや積みプラの山を片付けないと、次が始められないのである。




| 【本】 | 11:57 | comments(0)
島田清次郎 誰にも愛されなかった男

  島田清次郎と言っても、今の人たちは殆ど知らないのではないだろうか。著作全てがほぼ抹殺され、代表作「地上」ですら、書籍で読むのは困難になっているからだ。だが、その作品は間違いなく大正時代の一大ベストセラーのひとつであった。
 今から90年以上も前、大正時代のベストセラー作家であった著者が、その傲慢な性格から没落し、文壇から疎まれ、破滅的な事件を起こし、最後は精神病院に入って病死してしまう。その数奇な人生を現役の精神科医である著者が丁寧にまとめたノンフィクション伝記である。

 島田清次郎の伝記といえば、杉森久英による「天才と狂人の間」が有名(杉森は本書で直木賞を受賞)だが、それにも勝るとも劣らない作品に仕上がっている。
 不謹慎な言い方になるが、島田の生き様が面白いので、300ページを超える分厚い本であるが、一気に読みきってしまった。

 20歳で上梓した作品が文壇に認められ、たちまち人気作家になるも、その言動は不遜で、思い上がっており、その結果として文壇から嫌われてしまうことになる。
 初期に書かれた「自分への説法」という詩が印象的だ。「謙虚になれ。お前は偉くないのだぞ」と、詩の中では自分を徹底的に戒めているのに、現実には謙虚どころか、徹底的に思い上がり、周囲に傲慢な態度を取っていく。この矛盾は一体どこから来るのだろう?

 驚かされるのは大正時代のマスコミである。今のマスコミどころの騒ぎじゃない。島田清次郎が彗星のごとく現れれば絶賛し、ちょっと鼻つまみ者になれば手のひらを返して罵倒する。犯罪者となってからの彼に対する新聞記事の書きかたは、今の三流ゴシップ誌より酷い。時代背景もあるとはいうものの、天下の新聞社がそんな記事の書きかたでいいのかと思ってしまうほど感情的な文章の連続である。昔は全てにおいてこの調子だったんだろうかねえ。

 島田の息の根を止めたゴシップ、海軍少将令嬢誘拐監禁事件においても、被害者の実名は表記するわ、誘拐・監禁・強姦などと書き立てるわ、いかに大正時代といえども、それは流石にやりすぎなんじゃないのと言いたくなるほど、酷い記事の連続なのには呆れ帰った。
 今も昔も、大して変わらないんだねえ。決して今のマスコミが過激というわけではないようだ。そこが、何とも意外かつ、妙に納得できる部分だった。本筋からは逸れるが、このスキャンダルに絡む部分だけでも一読の価値がある。
 時代背景を考えると、現代で同じような事件が起こるより数倍も悲惨な事件であるが、唯一の救いがあるとすれば、当の被害者の令嬢舟木芳江嬢が、事件をものともせずにプロレタリア演劇に打ち込み、人生を全うしたという事だろうか。

 しかし、本当にこの島田清次郎という男は酷い。多少文才はあるんだろうが、誇大妄想の気があり、しかも傲慢不遜な上にDVだ。「誰にも愛されなかった男」の副題が誇大広告ではないということが読み進むにつれて益々理解できてくる。

 しかし、著者はそこに殆ど自分の意見を挟まない。多方面からの証言をまとめ、彼が周囲の人々からどのような扱いを受けていたのかを、淡々と書き綴っている。後半、精神病院に入れられるあたりから、著者の本業を生かして、多少の意見を挟んではいるものの、全体として事実を出来るだけ正確に書き進めていこうという姿勢に共感が持てた。

 だからこそ、最後のあとがきが生きる。
 「中ニ病のカリスマ」
 まさに、その表現こそ島田清次郎に相応しい。
 何で今、島田清次郎なんだと思わぬところが無かったわけでもないのだが、「中ニ病のカリスマ」という表現を読み、なるほどと思った次第である。

 欲を言えば、もう少し精神科医として、島田がどのような人物であったのかを著者なりの解釈で掘り下げても良かったのではないかと思う。但し、残された島田の文章や新聞記事をどこまで信じていいかは疑問だし、そういった曖昧さがあるゆえに、敢えて著者の個人的意見は最小限にとどめたのかもしれない。

 なお、島田の著書は現在、ネットの青空文庫で「地上」の第一部、「地に潜むもの」の全文が閲覧できる。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000595/files/46166_22431.html
 現代の感覚からすれば、これはまさに大正時代のラノベである。大正時代の文学としては、かなり読みやすい。文学的人気というよりも、若者を中心としてベストセラーになったという事が良く分かる内容であった。ここからみても、まさに島田は「中ニ病のカリスマ」であると言うことが出来るだろう。


 

島田清次郎 誰にも愛されなかった男
風野 春樹
4860112458
| 【本】 | 08:21 | comments(0)
【書評】タレーラン珈琲店の事件簿 二番煎じは薄いか?

  探偵役のヒロインが若く聡明な女性で、彼女に恋心を抱く主人公が絡んで殺人の起こらない日常的な謎を解きほぐしていく。
 と、書き出すと誰もが思い出すのが「ビブリア古書堂の事件帖」であろう。
 
 この、「タレーラン」も全く同じプロットである。但し、探偵役は古本屋ではなく喫茶店(コーヒー専門店)のバリスタなのだが。

 表紙がね。
 まるっきりビブリア。
 意識しすぎ。
 タイトルもね。同じ。

 どうしてこんな本が売れたのか。
 宝島文庫のミステリ大賞受賞作だという。
 真似なのに?

 普通、ミステリだったらプロットが同じっていう時点で評価対象にはならんと思うけどなあ。ラノベ読者ってのは同じプロットの作品を好むんだろうか。それにしてもね。

 これは引くな。特に表紙とタイトルを見て、読む気が無くなってしまった。

 だが、売れたらしい。続編も出ている。
 おそらくビブリアを読んだ人が買ったのだろう。はっきり言って、ビブリア効果がなければ、そんなに売れなかったんじゃないかとも思う。二番煎じには二番煎じ。でも、売れたという事は、その中に何か目を惹く独自性があるのではないかとも思った。

 そんな感じで、少し興味はあるものの、新刊で買うまでもなかった本をブックオフの105円コーナーで見つけたので読んでみた。丁度、京都出張という良いタイミングも重なり、新幹線の中で読了。(偶然にも小説の舞台が京都だったので、読んでびっくりした)

 新人作家というが、文章構成が結構うまい。二番煎じでも、ここまで書ければ評価できる。ミステリのプロットとしては少々強引な所もあり、叙述トリックめいた部分が少し分かりにくく、書き込みが不足しているなど、まだまだ感はあるものの、全体としてはとても上手い作家だと思った。

 これが、ビブリアの前に出ていれば、それなりに評価は高かっただろう。そういう本であって、単なる二番煎じと揶揄して終わるような本ではなかった。その点は評価したい。

 特に後半展開されるドンデン返し的なストーリー構成は、ビブリアとは一線を画していて面白い。だが、あの終わり方でよかったのかな?いかにも続編書きますよ的な終わり方は、あまり評価出来ない。

 決め台詞がある、という事はこの手の連作ミステリでは非常に重要な要素で、そこは今後もこのシリーズを書き続けていくのならば、結構な強みになるとも思った。特に、問題を解決したときの「大変よく挽けました」(珈琲が挽けることに、問題が解決したことを引っ掛けている)というフレーズは少しベタなものの、決め台詞としてはなかなか個性的で面白い。

 ただね、主人公を筆頭に、オヤジの駄洒落みたいな名前の付け方だけは辞めたほうがいいと思う。

 

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
岡崎 琢磨
4800200725
| 【本】 | 11:51 | comments(0)
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